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開業(創立・独立)時の節税Q&A

Q. 法人を設立する税金上のメリットとデメリットを教えて下さい。
A.
メリット
(1)給与所得控除が使える
個人事業として事業所得で申告するよりも、法人からのお給料として給与所得で申告した方が給与所得控除を使えますので、税金が安くなります。
(2)退職金を支払える
個人事業では自分で自分に退職金を支払うことは出来ませんが、法人であれば役員退職金として損金に計上することが出来ます。
(3)税率が低くなる
個人に係る所得税の税率は一定の所得になると法人税の税率よりも高くなりますので、法人にした方が有利です。
(4)欠損金として損失を通算出来る期間が長くなる
個人の場合繰越せる純損失の期間は3年ですが、法人の場合には9年の繰越が可能になります。
デメリット
(1)法人住民税の均等割が発生します。
法人の場合には赤字であっても、地方税である法人住民税(均等割)が発生し、毎年最低7万円は掛ります。
(2)交際費に限度額が出来る。
期末資本金額が1億円以下の法人では、交際費等のうち、800万円以上の交際費が損金になりません。(一部の子会社を除く。)
Q. 法人税法上の法人設立の日はいつになりますか?
A. 法人税法では、会社の設立登記の日が会社設立の日となっていますが、設立までに時間がかかることから、設立前1か月程度の期間であれば法人の事業として収益・費用を認識して良いことになっています。ただし、法人成り等であれば、設立日の前後でしっかりと個人事業と法人での事業の収益・費用を分けなければなりません。
Q. 会社設立までに掛った費用はどのように計上しますか?
A. 会社の設立登記の日までに掛った費用は創立費となり、設立登記の日から実際に事業を開始した日までが開業費となります。会計上は5年間で均等償却することになっていますが、法人税法上は創立費も開業費も任意償却(好きな時に会社の判断で償却して良い)で良いことになっていますので、多額の費用を計上したくない場合(決算書を赤字にしたくない場合)には、繰延資産として計上しておくことも出来ます。
Q. 会社を設立すると消費税が2年間免税になると聞きましたが本当ですか?
A. 消費税はその事業年度の前々事業年度における課税売上高が1,000万円以上であるかどうかで判定しますので、その売上は新設法人(合併等の特例の場合を除く。)にはありませんから免税事業者ということになり、消費税の納税義務はありません。

ただし、その事業年度開始の日における資本又は出資の金額が1,000万円以上の場合には、別の特例で課税事業者(消費税を納める義務がある)になるため、基本的には資本金の額は1,000万円未満にすることをお勧めします。

Q. 消費税の免税事業者になって損をしたという話を聞きましたが、そんなことはあるのですか?
A. 上記でもお話させて頂きました通り、新しく設立した法人(合併等の特例の場合を除く。)は期首の資本金が1,000万円未満であれば免税事業者となり消費税の納税義務はありません。しかし、ご注意して頂きたいのは免税事業者に該当した場合には、消費税を納める義務もない代わりに、消費税の還付も受けられないということなるということです。つまり、預かった消費税より払った消費税が多い場合には、消費税は還付を受けられますが免税事業者であったために還付が受けられなかったとういうことであると思います。

事業を始めたばかりで、売上は全然ないが設備投資等(リースも含む)や車両、会社の事務所として建物を購入・建設した場合にはシュミレーションが必要になってくると思われます。当事務所では、社長へのヒアリングによって有利不利の選択をさせて頂いております。(税務顧問パックの場合)

Q. 会社の事業年度を決める上で税法上大切なことは何ですか?
A. まず、大事なことは決算の時期を考えることです。

決算とは法人が法人の定める一定の期間を事業年度(定款に定める)とし、その期間に係る収益・費用を計算して利益等を計算し、それを基に一定の計算をして税金の申告をする一連の流れのことですが、例えば2月に会社を設立したとすると事業年度を毎年4月から翌年3月とした場合には、2月と3月の2か月で決算を迎えることになり事業が開始してすぐの時点で決算をしなければならない等の色々な面倒な作業をしなければならなくなります。

また、業界的に忙しくなる時期を避けた方が良いということも挙げられます。

決算時期は打ち合わせや、不明点の確認等で色々な作業が出て来ますので、業界的に忙しい時期に決算を迎えることになると、翌期になってから前期の資料が出てきたり税法的に前期中に出さないと効力が及ばない書類を出せなかったりと、無駄な税金を払う結果にもなりかねないことから、余裕のある時期が良いかと思われます。

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